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シャトーブリアンは肉ではない

高級ステーキのシャトーブリアンは一度も食べたことが無い。貧乏人の自分には、にはたぶん一生縁の無い食べ物かもしれない。でも別にさびしくは無い~~、強がりではないよ!!!この高級ステーキのシャトーブリアンだが、名前の由来はフランスの19世紀の小説家シャトーブリアンから来ている。 フランソワ・ルネ・ド・シャトーブリアン 1768年9月4日~1848年7月4日 彼は、79年の生涯を祖国と文学と信行に捧げた。彼の大好物がステーキ、後にシャトーブリアンと名前の付く肉だった。有名人の名前の付いた料理は沢山あるが、それが高級ステーキとはたいしたものだ。残念にも日本で彼の人気は、ステーキを除いてはまったく無い。彼の肖像画、メランコリーでハンサムな男、何処か遠くに目を漂わせている。内気で繊細、守ってあげたくなるような青年、腐女子ならきっと夢中になるはずなのに!!!!!

彼の弟子に日本では知らないものはいないビクトール・ユゴーがいる。大ユゴーと日本の文人たちに尊敬されているユゴー、その師匠がシャトーブリアンなのだった。二人の師弟関係はフランス文学界では有名、ユゴーが14歳の少年だった頃、シャトーブリアンは30代である、数々の本を書き名声に輝いていた。少年は、胸躍らせて読み、感動、いつか自分も名声に輝くことを夢見た。日本人はユゴーの「レ・ミゼラブル」や「ノートルダムの背むし男」やなら良く知っている。それこそ「ああ無常」と邦題が付いて明治には翻訳されている。しかし、ユゴーの師であるシャトーブリアンの作品はさっぱり知らない・・・。理由は、あまりにもカソリック的過ぎるからなのか?たぶんそうなのだろう。だが、弟子のユゴーの作品には宗教色はあまり無い、だからこそ東洋の辺境地ニッポンでも受け入れられたと思う。

フランス革命はカソリックもプロテスタントも関係なく攻撃された。欧州ではじめて宗教が否定されたのだ。無宗教状態が始まる。ロベスピエールは至高の存在神なる新しい宗教を作りそれを崇めるように命令、へんてこな儀式を大真面目に行った。この儀式は、その後ロベスピエールが処刑され中止。しかし、フランス国家のあらゆる公式行事に宗教色を入れないという現在の形になってゆくきっかけになる。国家行事は無宗教、しかし国民は宗教を求めた。時代は、ナポレオンが革命で敵対したバチカン側と和解、王制復古により教会も再建となる。そして、シャトーブリアンが文学でカソリックを取り戻すのだった。無宗教状態はフランス人の心を砂漠にした、人々は貪るようにシャトーブリアンの作品を読み漁る。これは日本人には分からない~~。フランス人は神の復権を望んでいたのだ。19世紀後半にドイツで「神は死んだ」と叫ぶのは、哲学者で小説家のニーチェだった。
by sakulasou567 | 2013-10-20 14:12 | 歴史 | Comments(0)